塗り絵を高齢者レクに取り入れる魅力

塗り絵は、特別な準備をしなくても始めやすく、一人でも複数人でも楽しめる活動です。大切なのは、健康効果を約束することではなく、本人の好みやその日の様子に合わせて、心地よく参加できる場をつくることです。

1. 色を選び、自分らしく表現できる

「花は何色にしよう」「空を夕方の色にしてみよう」と考える時間には、正解がありません。見本を参考にする方法も、好きな色で自由に塗る方法もあります。自分で選べる余地を残すと、その人らしい作品になりやすくなります。

2. 手を動かす時間を自分のペースで楽しめる

塗り絵は、短い時間で区切っても、少しずつ続けても構いません。手指の状態や視力に合わせて、太い線で区画が大きい絵柄、握りやすい太軸の色鉛筆、十分な明るさを選びましょう。疲れや痛みがあるときは無理をせず休むことが大切です。

3. 会話や思い出のきっかけになる

季節の花や昔なじみの道具をモチーフにすると、「昔は庭に咲いていた」「この行事を楽しみにしていた」といった会話が生まれることがあります。話したくないときに無理に問いかける必要はありません。作品をそばに置いておくだけでも、自然なきっかけになります。

医療・介護に関する注意点

塗り絵は、認知症を予防・治療・改善する医療行為ではありません。体調の変化、痛み、見えづらさ、活動への強い抵抗がある場合は、本人の意思を尊重して中止し、必要に応じて担当の医療・介護専門職に相談してください。厚生労働省も、認知症のある人の意思決定と社会参加を大切にする方針を示しています(参考文献)。

まとめ

塗り絵は、色を選び、手を動かし、作品を眺めたり話したりできる活動です。本人が好きな題材と無理のない難易度を選び、「できた」「楽しい」と感じられる時間を大切にしましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省「主な認知症施策について」|厚生労働省